ねこひっかき病
- 社会活動
先日、仔猫の兄妹4匹を保護しました。
うち1匹は弊社スタッフが引き取り、あとは里親さんへ引き渡し準備中です。お風呂に入れる前に、ノミの駆除をして2日間おきしっかり薬液を浸透させたあと、暴れまわって嫌がる仔猫を何とか弊社別のスタッフがお風呂に入れて、今は薬局とは別の事務所で面倒を見ています。
猫が好き、という方は多いと思います。家の中で生活していて外に出ない猫さんは病気になりにくく、以前と違って室内飼育がほとんどになってきています。保護猫さんと一緒に暮らしている方も多いかと思います。
猫ひっかき病は、名前の通りに猫にひっかかれたり咬まれたりすることで人に感染する人獣共通感染症です。猫ひっかき病の原因である、バルトネラ菌を保有しているノミに吸血し感染された猫によって人にうつります。このバルトネラ菌の保菌猫の割合は2割以下といわれますが、猫にとっては常在菌で、猫に感染しても無症状なため気づきにくい欠点があります。健康なヒトの大人であれば軽症で済み、自然治癒で良くなることもありますが、免疫力が低い人や何らかの基礎疾患を抱えている人は重症化しやすく、高熱が続いたり、突然のケイレン発作や意識障害により脳炎を併発したりすることがあり、死亡例も報告されています。鎮痛薬や解熱剤、抗生剤の投薬などの対症療法を行いますが、重症例では入院が必要な場合もあります。
予防法としては、猫ひっかき病はノミの媒介によって感染するため、猫を完全室内飼いにし、ノミに感染しないようにします。しかし、人の衣服に猫ひっかき病の原因であるノミが付着し、室内に持ち込んでしまうことがあります。温暖な地域ではノミが増殖しやすいため、猫にノミの駆除薬を定期的に投与することで感染を防ぎ、人が猫ひっかき病になるリスクを減らすことができます。地域によって投与期間が多少異なるので、動物病院で相談しましょう。猫と触れ合う際は過剰なスキンシップを控えることも猫にひっかかれたり、咬まれたりする危険性が減り、その結果、猫ひっかき病を防ぐことに繋がります。室内のこまめな清掃もノミ撲滅には重要です。
猫との楽しい生活のために、少し知っておいてほしいことでした。